初めての長野

今回はcharlieは初めての長野に参上いたしました。
バックカントリーに出て楽しむことが多くなってきたチームメンバーですが、本格的な山での技術が伴わないために不安があるのも事実なので、ここは一発charlieが代表して、少し技術向上を目指そうと思い、山岳ガイドを個人でお願いしトレーニングすることに至った記録です。
ニセコにおける諸問題などみていると、「BCを安全にしかも他人に迷惑をかけずに滑るがために何をしたら最もよいか?」という問いに対するcharlie的答えとしては「そこに行かない!!ゲレンデだけ滑る」という結論に達してしまうのです。そう考えてくるとだんだん暗くなってきて、もうスノーボードやめちゃおうかなって気分になってしまって・・・・
「これはいかん!!」ということで、出来る限りのことをしようと思いトレーニングをしてみることにしました。

1月10日 最終便で上京。東京は意外と寒い。新宿の屋台でサラリーマンの人と盛り上がって呑んでしまう。3時就寝。

1月11日新宿発の「あずさ」で松本へ。二日酔いのせいか、揺れる列車でうんこができず、我慢しつつの3時間であった。
正午頃、お願いしていたpowerzoneのmizutani氏に会う。そのまま松本の石井スポーツでいろいろと道具の下見をした。それから、野麦峠スキー場についたのが夕方となる。公共の交通機関のないベースで1500mくらいの標高の高いスキー場である。

早速ねぐらとなるヒュッテ「不思議童子」にチェックイン。クラシックが流れるテレビのないフォークとスプーンで食事を食べる暖炉のあるペンションである。しかも消灯は10時半。今までに泊まったことないタイプの宿である。単身だからまぁいいか。あまりにも静かで耳がキーンって鳴るんだよ。ロフトの窓から見える月が寂しげだった。

1月12日 これから御世話になる大阪の山岳ガイドshimada氏に正式に挨拶し、スキー場のチケット売り場でまず装備確認。charlieの持参したピッケルは「これはおもちゃですね」と一笑に付されてしまった。ゲレ食の屋根から落ちた氷に実際にピッケルを打ち込んでいくと、その違いがはっきりとわかるようになる。ある程度重量がないとささりが非常に悪い。日本の氷は概して軟らかく、ヒマラヤなどの氷は無茶苦茶硬いそうである。

shimanoのskyloadにつけたstubaiのアイゼンについても問題ありだった。アイゼンに問題があるというよりソフトブーツに問題ありといった感じであった。フロントポインティングで氷壁にたち込むのにはかなり無理があることがわかった。

昔、ノマドの宮下さんに雪山講習を受けたことがあるが、そのおさらいとも言えるアイゼンでの歩き方をくり返し行い、滑落停止を何度も行った。

午後からはピークまでリフトで上がり、コース脇で滑落停止を練習。最後にピッケル持ったまま滑ったがこれは怖かった。これでこけたらピッケルが頭に刺さりそうだった。

午後遅くからもう一度松本の石井スポーツへ向かい、プラスティックブーツとワンタッチアイゼンとピッケルと登攀具その他諸々をお買い物して終了となった。

ちなみに不思議童子の温泉はかなりいけてて気持ちいいっすぅ。

1月13日 天候は今日も晴れ。スキー場の駐車場脇で確保の練習。重たい荷物を持ってえっちらおっちら・・・ロープの結び方が・・・ああぁぁぁぁ頭がこんがらがるぅ・・・

午後は固定ロープを使って、堰堤にはった薄氷をダブルアックスで登ったり(アイスクライミング気分)、懸垂下降したり、救助の練習したりとなかなか濃い時間であった。アイゼンで引っかけてアウターも破いてしまった・・・

1月14日 今日も晴れ 2200m近いピークで雪洞掘ったり、おきまりのピットチェックしたりして過ごす。総合的な確保のおさらいなどして終了した。3日間アッという間に過ぎてしまった。すべてが経験を重ね続けることでしか身に付かない技術であることがよくわかって、ますますく暗い気分になるのであった。

雪洞でお茶をわかす

明日はZZ千葉氏と白馬に行くことになったため、shimada氏に松本まで送ってもらう。そこで見つけた「招福」というお店で鹿児島の焼酎を見つけ、案の定深酒をして午前様となってしまった。松本もなかなかいいね。

1月15日 朝6時にZZ千葉さんに迎えに来てもらい白馬へ向かう。まだ少し酔ってるcharlieはがぶがぶ水を飲みまくりつつ北へ進んだ。トンネルを過ぎる毎に積雪が増えていく。同じ長野でも北部と南部とでは大分積雪量が違うんだなぁと感心してしまった。8時前に白馬に到着しイチロヲ氏と奥様に初対面のご挨拶。8時半からGOOD COLORのブリーフィングに参加する。舎川代表の説明を聞き、本日は栂池へ向かうことを確認する。


本日は黄色プレイだそうだ

栂池スキー場のリフトを乗り継ぎ、ハイクを始める。この日のお客さんは9人という事でラッセルは楽なのだが、なんせ雪が深すぎる。スノーシュー履いてても腿まで沈むしたまに腰まで来そう。(charlieが重すぎってか?) そうこうしているうち、今日は深すぎるので登り続けるのはやめてゲレンデ周りでまわしましょうってことになり、そこらのツリーランを3本ほど楽しんで終了となった。気温も低く、charlieの一眼レフもバッテリーがやられていて千葉氏やイチロヲ氏の写真が残せませんでした。

rider:charlie photo:イチロヲ
深さが伝わるかなぁ・・・
ただチョッカるだけで板を横に向けないのに、むせるパウダーってのはなかなかないね。

サブを努めていた勇介君にマッキンリーのことをいろいろと聞けて楽しかったなぁ。(POWDER vol8参照)

帰りに近くの温泉でまったりして終了。初めての白馬は無事に終了いたしました。ありがとうね、千葉さん。

夕刻は松本電鉄で新島々まで自力で戻り、shimada氏に迎えに来てもらい野麦峠に戻ることが出来ました。

電車に整理券があるのは驚きだった・・・

実はこの日はテン泊を行いました。山へ戻ったのは10時近くだったのだがそれからテントを暖めて眠るのは少し大変だった。最初は調子よく眠れていたのが、朝の3時くらいからはあまりの寒さに眠れなくなってきて朝5時には遂に意を決してシュラフから飛び出して火をおこした。しばらくすると燃料切れで火がなくなったのでさらに就寝。朝7時までは何とか眠れた。今期一番の冷え込みだったらしくマイナス17度くらいだったそうだ。テント内のすべてのものが凍りついていた。

1月16日 今日は完全にオフ。朝早くから目覚めているので早速1人で野麦峠スキー場をクルーズ。平日なので人はポツポツだ。
ゲレンデ脇のパックされたパウダーをちょろちょろ頂いて午前いっぱいで終了。

これで営業中です。心配になります。

日中は太陽も出て気温も上がったので、テントで昼寝。あったかかったぁ。

1月17日 本日よりトレーニング最終版として乗鞍岳に登る。スキー場のトップまでリフトを乗り継ぐのだが、荷物の重量がもの凄いためボードでの乗り降りがかなりしんどい。


荷物の大きさがわかるかなぁ
看板には「ここから先は自己責任です」みたいなことが書いてある。

山スキーコースとしてスキー場のトップから山頂に向けて幅15m暗いのゲレンデライクな道がつけてあるので、迷うことはない。しかし、この重量よ!!死にそうだぜ。森林限界を過ぎてからは竹竿で道しるべが通っている。標高も2500mを過ぎると息も苦しくて・・・
だんだん雲行きが怪しくなる。午後2時過ぎようやくビパークする2760m付近に到着。死にそうに疲れた。体力のなさが露呈される。

テント設営のための動きも全く鈍くだらだらとしてしまった。風は強く風速10mは越えているだろう。あたりは真っ白になってきた。今夜は天気は崩れるそうだ。トレーニングにはピッタリね。M線かも・・・。

6時には真っ暗なテントの中でヘッドランプできのこみそ汁をいただく。結構上手かったが、熱すぎて口腔内に熱傷を負ってしまった。凄いでかい水ぶくれが両頬の内側にできて、まるであめ玉二つ舐めているような感じだった。風は一段と強くなりテントはバタバタともの凄い音を立てていた。風速は20m近くまでいっているかもしれない。風下でなかったら飛ばされてたかも。厳冬期の北アルプス体験としてはおあつらえ向きだった。

しかし、あまりに寒くて小便しにいくのがこれまた大変だった。狭いテントの中でいろいろと動くことがいかに大変かよくわかった。
火も焚いてるしうかつに動けないんですよね。夜8時前には就寝し、もの凄いテントのはためく音を聞きながら暖かく眠ることが出来た。

1月18日5時頃起きて朝ご飯。風はおさまりつつある。しかし、うんこはかなり寒かった。
飯後にはアイゼンを履いてピークを目指す。約一時間で朝日岳ピークへ。しかし、ホワイトアウト強く稜線上を歩くのは残念ながら断念した。

吹雪の中を上る 基本に忠実に!!

とりあえずピークで写真

サッサと下りてテント撤収し後は一気に下るだけ。


どっこらせぇ

5時間かけて登った斜面もものの30分でゲレンデベースへ。
いやーーーー下界は平和だわ。ほんっと。.生きてることが普通だもんね。

背負ってる重量に負けてこぶでやられる

でも滑るのはやっぱり楽しい

夕刻には東京についてまたしてもちょっと飲み、あまりの疲れに爆睡して翌日奄美の人となりました。島は暖かいね。

トレーニングだけするより、やっぱり仲間でちょっとずつ技術高めた方が楽しいし、覚えも早いような気がした旅でした。
実践が一番だね。

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