魅惑のノーススマトラ

text by charlie

9月13日 仕事を早めに終わらせmikaさんとともに上京。羽田には久々にBobbyが迎えに来てくれた。いつものように新橋で大腸ニンニクセッションを楽しんだ。トッチー夫妻も参加して妙に盛り上がってしまった。

9月14日 台風を警戒して早めに上京したのだが、取り越し苦労に終わり、雨の東京でぼんやりとお買い物。神田で正体不明のぶかぶかラッシュガードをゲットした。夕方、出来たてほやほやの成田空港南ウィングでmarumo夫妻と初対面となるfujita氏と合流し、それぞれシンガポールエアラインに超過料金を払わされたことを報告しあった。charlieは36.000円、marumo氏は70.000円とのことだった。いくら何でも高すぎじゃないの?シンガポール航空さん。

9月15日 深夜というか早朝にチャンギーに到着。5人で寝床を捜す。トランジットホテルは満室。ベンチは手すりがついていて寝るのには適さない。バックパッカーによるランキングではこの空港は上位には入らないらしい。結局、探し当てたそれなりの場所で寝付いたと思ったら、すぐに軍の銃を持った兵士達からパスポート提示を求められたりして落ち着かず、朝方にはやっと開店前のレストランのラブラブベンチに猫のように体を丸くして潜り込んだのだった。

メダン行きの搭乗待合室で久々にzz氏と再会。6人を乗せたシルクエアーは予定通りのフライトとなった。機内ではオガクズパン(としか表現できない)とソフトドリンクを頂いたが、はっきり言って不味かった。

さて、メダンのターンテーブルから次々と荷物が出てくるが、charlieのコフィンだけはどうやら届いてなかった。あとの荷物はすべて届いていたのに。しかも超過料金も払ったのに・・・。

クレームのための事情聴取でなにやら時間を随分取られた。奄美から出てきて、しかも結構時間も経っていて疲れていて面倒くさい。現地のエージェントのような人の助けもあり、何とか手続きは済んだ。

我々の荷物はすべて車に載せられ、即座にシボルガへと出発した。人間は午後の空路で向かう予定だから、それまでの間、メダンのショッピングセンターを散策させられた。一応サーフボードが売ってないか捜してみたが、海のないメダンにそんなものはなかった。ちなみにサーフ関連の服だけは結構見かけました。

空港に戻り、charlieの板はシンガポールに残されていることがわかり夕方の便でメダンに着くことになった。しかし、今夜にはシボルガを出航予定なのに、どう考えても板を取り戻すことは難しい状況となった。

ここでもう一つ問題が生じていた。今回、乗船する予定だったNAULI号がギアボックスの不調で動かなくなり急遽船を変更せざるをえなくなってしまったのだ。変更後の船のオーナーであるチャナと挨拶を交わし、色々と船の情報を得つつ、シボルガまでの短いフライトを終了した。


おじさん達はどこでも行きますってか

小さいではあるが、奄美ー沖縄便と似たようなものである。


例によって小さい空港である。シボルガ

空港からは小一時間でシボルガ最大と思われるビーチフロントのホテルに到着した。沖には今回乗船するIndo Jiwa号が見える。ここで、前回もこのエリアを旅したことのあるmarumo夫妻とzz氏がマークを紹介してくれた。NAULI号キャプテンではあるが、今回はIndo Jiwa号に乗り込みオーガナイズしてくれるようである。レストランでビールや軽食を摂りつつ話を聞くと、どうやらマークはかなりのGT好きのようであった。板の届かないcharlieは、もしかしたら釣りだけかもしれないと思い始めていた。

Indo Jiwa号について知りたい方はこちら

日が暮れた頃、マークのフィッシングボートで全員Indo Jiwa号に乗船完了。ビールを飲みながら板の到着を待った。話し合いの結果、本来はバニャック諸島に向かうはずだった予定を止めて、まずはniasのラグンディに向かい、そこまで空路と陸路でcharlieの板を運んでもらいゲットする算段となった。本来の予定を変更せざるを得なくなったことについては、完全にエアラインのせいではあるのだが心情的にはちょっと辛かった。

船上で更にビールを追加しつつクルーと挨拶を交わした。またその他にヒナコでの復興活動に参加しているオージー3人組も同船することになっていたので情報交換など行った。

ほとんど揺れない船室で、疲れとともにいつの間にか眠ってしまったようだった。

9月16日 早朝、目を覚ますとそこには夢のラインナップが広がっていた!!という予定だったのだが、なんとまぁそこにはシボルガの朝の景色が広がっていたのである。なるほど揺れないわけだ。だって動いてないんだもの・・・。聞けば、メダンから板を陸送していたドライバーが急に病気になって板が届かなかったんだと・・・・いい加減なものだよ。ここはインドネシアだからなんでも起こるのさ。そうこうしているうちにやっと板が届き、慌ただしく出航となった。

しかし、ここからラグンディまでは半日はかかることを考えると今日のサーフィンは絶望的だった。しかし、マークがシークレットがあるよと言うので、みんなで行ってみた。シボルガからはさほど遠くないそのレフトは、インサイド激浅ではあるが面ツルの極上レフトであった。早速charlieはチャナの7'4"をレンタルしてパドルアウトというかパドルイン。みんなもすぐにやってきた。インサイドの浅さはかなりのヤバさだったので1本だけ乗って終了とした。結構みんな頑張って乗ってたなぁ・・・。

charlieはマークの船に乗って釣りタイム!釣りのレポートはこちら

あまりの浅さに島人mikaさんでさえ脚に傷をこしらえていた。この日は残りの時間をすべて釣りに費やした。charlieとmarumo氏は結構楽しめたんじゃないかと思った。釣り上げた小型GTの刺身とBBQにアオリイカ刺身で乾杯です。

蟹を首飾りにするシャンティ 無邪気でよかよか

9月17日 朝起きればそこにはどんよりした曇り空の下、オンショアでぶよぶよのセット頭くらいのラインナップが目に飛び込んできた。ここがあの夢にまで見たラグンディのラインナップである。船から見るせいか「出た!これニアスでしょ!」っていう絵図にはならなかったが、よく見れば波質はかなり良さそうである。


ボトムも深そうだし気楽に楽しめそうである
同船したオージーも盛んにイージーだと言っていた
rider:unknown

ここでやっとcharlieの板到着!!
ボトムには穴が開いていたがすかさずリペア!!

我々も早速飛び込んでセッションに加わる。オンショアでもうねりはしっかりしており、ライダブルである。乗り継いでいくとあるところでたるくなるんだよね。楽しい波乗りであったが、ローカルキッズが増えるとともに乗れなくなってきて終了となった。

憧れのラグンディに来れたことはひとつの大きな収穫であった。ローカルのスジャによればインサイドは昔は良かったが、地震の後の隆起で駄目になってしまったとのこと。上の写真の黒い岩肌も隆起したものであろう。

みんなでチェック


メディアではいつもチューブの後ろに見えている椰子林


丘の上にはシンガポールのパイロットがオーナーだという高級そうな建物が・・・

昼前だけれど遅れた予定を取り戻すべくヒナコへと進路を取った。右手に巨大なニアス島をみながらゆっくりとIndo Jiwa号は進んでいく。速度を稼ぐためにメインセールとジブも張る。数時間走り続けたところで我々はイルカと戯れる機会を得た。

舷側を併走したり


船首の下を行ったり来たりで楽しませてくれる。
みんな夢中だったりして・・・
前方にはすでにバワが見えている。

ヒナコに入ったところで、我々のみマークのボートに板を積み込んで一気にアスへ向かった。風が合っているのはアスしかなく、本船では日暮れに間に合わないからである。ここで下船するオージー達と最後の別れをすませ、魅惑のレフト、アスへ。


船はヒナコへの物資もたくさん積んでいるので満載状態である

先客が数人いたが、面ツルの高速掘れ掘れレフトは我々を誘っていた。誘われるまま入ってみたけど、そこには恐ろしいインサイドが待っていた。2発食らえばオン・ザ・ロックである。ここで波乗りできるというならトカラでも出来ると言えるのではなかろうか・・・。

おっかなびっくりで入ってみたがなかなか乗れなかった。グーフィーのfujita氏はかなり攻め込んでいてロングライドしていた。mikaさんもこの数日の鬱憤を晴らすかの如く高速でかっとび、「最高〜〜」とのことであった。charlie的にはちょっと厳しい感じであり、zz氏によれば「精神の問題」だそうである。

しかし、やっとインドネシアらしい波に乗れたわけだしサーフトリップらしくなってきたと言うことで、それぞれに満足していたように思う。夜は船を風下に入れ快適に過ごした。


アスの夕暮れ

9月18日 朝一のアスはこれまた頭以上のサイズで巻き巻きパラダイスであった。マークと言えば朝から釣りに行く気満々でcharlieとmarumo氏は波乗りの選択権はなく問答無用で釣り場へ直行となった。釣りレポートはこちら

午後になりやっとアスを再度攻めることが出来た。久々に7'8"なぞかり出してみたが結果はほとんど同じであった。zz氏はヘルメットを持ち出し「精神の問題」を解決したようだった。


上陸したmikaさんが岸から撮ったアス 岸の近さがイマイチわからないか・・・


たるいところもあるけどね
rider:unknown

その後はmikaさんと潜りに出かけてみた。意外と魚は少なくイスズミの群れが見える程度で、魚も妙に近づけない。後から島の漁師とすれ違ったことで納得した。ダイナマイト漁に加え、人が住んでる島はやっぱり獲物は少ないなぁと。


それでもタコ刺しにはありつけましたよ。タウリンたっぷり。
クルー達はタコにえらく喜んでくれて写真とか撮りまくってました。

9月19日 本日は移動しつつ名もないレフトを攻めることにした。まずは最初は結構サイズのあるレフト。ピークはいくつか有り不安定で読みにくい、水深はありマッシーな波質である。みんな攻めあぐねる中zz氏の突っ込みが光り独壇場となったため、このポイントは「ちばポイント」と名付けられた。天気はいまいちでオンショアがかっているので、何となく特攻イメージであった。

charlie的には一番長時間入った割に乗れなくて全くいけてなかった。おかげで写真は全然残ってないです。

さてそこからほどなく走ったところに、またしても名もないポイントがあった。マークによれば、「地震の前はグラジガンのようだった」とのこと。その片鱗は確かにかいま見える。面は良く整っていて奥から高速のレフトが割れているが、繋がることはない。

ここでは、みんな結構乗れていたように思う。charlie的にもここが今回の波の中でベストであった。

珍しいcharlieの余裕あるテイクオフシーン


今回のベストショット
mikaさんがボートから激写
rider:marumo氏


rider:charlie

結局ここでは2セッション入り、サンセットも堪能でき気分は最高だった。敢えて名前を付けるなら岸に立てた赤と白の旗しか消えなかったので「フラッグス」とでもしておこう。スジャによればこの旗はかなりテイクオフポジションを決める重要な役割を演じているそうだ。


やっと天気も良くなった!!

9月20日 朝方から走ったおかげで目覚めたときにすでにBay of plentyに到着していた。そこにはオンショアでぶよぶよの小波が割れているだけだったが、プランテーションされてない森に囲まれた湾はかなりいい雰囲気であった。

charlieとmikaさんはとにかくライトハンダーがやりたいと言うことで入水。残りのメンバーはマークとともにボートでどこかに行ってしまった。

rider:mika
おっとインサイドは危ないよ!!棚ぎりぎりで割れていく

しばらくするとみんなも帰ってきてセッションとなった。時折はいるセットはブヨながらかなり掘れてていい感じだった。


rider:mari
一番のビッグウェイブライダーだけど今回はサイズが足りなさすぎ?


rider:charlie


rider:fujita

rider:charlie


鬼の突っ込みzz氏
なぜか画像が残ってませんでした、ゴメンナサイ・・・
かなりえぐいテイクオフをメイクしていたのが印象的でした。

午後はマイクに連れられて釣り。charlie的には嬉しいバースディGTゲットしちゃいました。釣りレポートはこちら

なんだか今回はもうこれ以上波が上がりそうな感じがしないcharlieでした。夕方にもう1セッション入る予定でしたが、オンショアがきつくなり魚も釣れたことだしビールタイムとしてこの日を終了した。

クルーが誕生日ケーキ作ってくれました、甘いけど美味しかったよ。

9月21日 いよいよ波乗りとしては最後の日である。朝起きるとトレジャーアイランドに到着していた。そこにはオンショアぶよぶよの胸肩の波がドライリーフに打ち寄せている姿があった。インサイドにもライトハンダーがあるというので行ってはみたが、はっきり言って波乗り不可能、アウトも行ってみたがこれも不可能。バシャバシャ戻っていたら隣の船のオージーに乗るかと言われ、ボートで船まで送って頂いた。200psのエンジン付きボートで相当乗り心地は良かった。

もうここにいてもしょうがないので、昨日マークが盛んにキャスティングしてたポイントに逆戻りすることになった。


zz氏は懸垂したりして

そこにいたり、この旅行で初めて風が北寄りに変わった。胸肩ではあるが面ツルで調子良さそう。クルーも含めみんな入っていくのでcharlieはちょっと島に上陸。しっかりマラリア対策して少し散策したが、ジャングルは軽装で入れるほど甘くないことがすぐに判明した。

手つかずの島には椰子のプランテーションがない

この人はいったい・・・
それにしても巨大な植物である

その後はスピアガンを借りてmikaさんと素潜り。ここは珊瑚がバッチリ生きていて透明度はイマイチながらも楽しい潜りが出来た。魚や海もとれて食べるには十分だった。ただクルーがシャコ貝の肝をカレーにして食っていたのには驚いた。少しもらってみたもののcharlie的にはイマイチであった。

そうこうしている間に風はまたオンショアに変わってしまったので、charlieとmikaさんの波乗りはとり止めとなり今回のコンテンツはこれにて終了とあいなった。

そこからシボルガまで夜通し航海して、翌朝には荷物を先に出すことが出来た。我々は午後のフライトだからそれまでは船上でまったりゆっくり。

しかし、そんなに順調にいくわけないのがこの旅である。昼頃マークが「問題が起きた。飛行機はキャンセルだ!」と報告してきた。そこから大慌てで上陸し2台に分乗してメダンまでの陸路をたどることになった。

最後にマークとお別れ

かなりきついかと思っていたが、終わってみれば約8時間の陸路であったが、わりと快適であった。好んで乗ろうとは思わないけれどね。

板はこんなものだ

メダンのホテルで一泊し朝方の便で一路シンガポールへ。ここでも超過料金で泣かされたし、世話をして金をせびる現地人にしてやられた。ポーターだけではなかったか・・・。

この一週間の船旅を思えばシンガポールのなんと快適なことよ。zz氏宅もまさにエグゼクティブクラス。

シンガポールと言えばチキンライス 行列に並んでみる


これがチキンライスだ!!
マジで旨いよ!


食後は中華街を徘徊

その後はzz氏のコンドのプールでまったり過ごし

夜はペーパーチキン食いまくり


空港まで送ってもらって
無事に帰国できたのでした

成田ではシンガポール航空へのクレーム処理で手間取ったが、それもなんとか繋いで解散となった。奄美組は時間が余ってしょうがないので月島で思いっきりもんじゃをメイクして鹿児島乗り継ぎにて帰島した。

今回のトリップでは9回飛行機に乗った。やっぱりちょっと疲れるのは否めない。少しずつ疲労回復に時間のかかる歳になってきた。これからのトリップはボチボチとやっていこうかと考えるcharlieである。

ボートトリップはトータルで考えるとやはりかなり楽しい。未知の自然に触れることが出来るのが最大の魅力かもしれない。

詳しくはzz氏のサイトで紹介されてますよ。興味ある方はこちら

BACK