ロンボク&バリの旅 2004前編

text by hayakawa

20046月、いささか早めの夏休みを取り、サーフトリップに出かけた。今回は嫁さんと一緒に、ロンボク4日、バリ9日の日程のトリップだ。波はコンスタントにアタマ前後、張り切りすぎて、最後には結構な怪我までしてしまったが、楽しみも多い旅だった。

6/4 Day1

仕事を終え、夕方のフライトで羽田に飛び、京成線に乗って成田に向かう。しかしこの電車が何と満員!「やられた」と思いつつ、「でもリムジンバスの半額だし」と自分をなぐさめる。成田に着き、メシ(吉野家)を食べ、ホテルにチェックインすると24時をまわっていた。あらかじめ送っておいたサーフボードの到着を確認し、床に入る。

6/5 day2

7時に起床、
ホテルをチェックアウトし、成田空港へ向かう。ガルーダインドネシア航空のカウンターで、ボードケースの重さを量ると、何と
22kg!。20kg以上はオーバーチャージの対象になるため、急きょ荷物の整理を行う。免税店でお土産の酒を買い、昼前には機上の人となる。

夕方、バリ島はデンパサール空港に到着。現地係員に迎えられ、ホテルに向かう。ホテルはメインストリート、レギャン通りに面しており、何かと便利だ。レギャン通りは、「バリ島テロ」や「SARS」の影響で、昨年訪れた時は人影もまばらで、お店は閑古鳥が鳴いていた。しかし今年は例年の喧噪が戻っていてにぎやかだ。また今年は下水道工事をやっていて、渋滞もひどい。ホテルにチェックインし、晩飯がてらジャランジャラン(散歩)するが、なんと偶然にもニセコのtake氏と再会する。氏はインドネシアに造詣が深い人物だが、今回はバリに加え、niasWJも訪れる予定と話してくれる。晩飯は、「インドネシア初日は、ローカルフードでしょ」ってことでナシゴレン(焼きめし)、ビンタンビールを注文する。幸い嫁さんの口にも合ったようで、安心する。メシが口に合うと合わないとではストレスの度合いが随分変わってくるからね。その後夜遅くまでライブミュージックが聞こえてくる部屋で眠りにつく。

6/6 day3

今日は朝イチのフライトでロンボクへ移動だ。メルパチ航空のカウンターで今度は奄美のoh-ta氏と再会する

氏は、3月のバリトリップの際に、足を負傷し、今回はリハビリがてらロンボクの波に乗るということだった。ロンボクまではプロペラ機での移動だったが、ほとんど揺れることもなく、30分あまりでロンボクはマタラム空港に着陸した

oh-ta氏と

Baggage claimを済まし、係員の出迎えを受ける。彼の名前はサイプルといい、「ZZさんも知ってる」という。しかし、サイプルは、ガイドを依頼する予定のアレフのボスらしく、今回のように、ボスを通さず直接アレフを指名するのは、「ちょっとまずい?」ような雰囲気になる。しかし結局は、アレフに連絡を取り、ホテルで彼に合わせてくれた。アレフは、「昨日はパーティーだった」と眠そうな目で登場。ZZさんのレポート通りのナイスガイだ。

クタ地区

ロンボクのクタ地区は、バリ島のクタ地区とは比べものにならないほど素朴な街だ。ただ、そんな街の外れに建つ「ノボテルロンボク」は別世界級の高級リゾートだ。今回はツアーだったこともあり、ここに泊まった。部屋は広くて清潔で、充分リラックスできた

レストラン、ここからうねりの状態が大体チェックできる

グルプック

ホテルで昼食を取り、アレフと共に海に向かう。今日はロンボク初日ということもあり、まずはメインポイントであるグルプックに案内してくれる。このポイントは、大きな湾の奥にある、風に強そうなポイントだ。ポイントのほぼ対岸にある漁村に車を止め、そこからカヌーに乗ってアクセスする。サイズは胸〜肩、風が入って面は多少ざわついているが、ショルダーのあるレギュラーと、ワイド目にブレイクするグーフィーが割れている

早速入水する。乗りやすくて良い波だ。夜はFAMILY CAFEに連れて行ってもらい、ナシゴレンを注文する。ナシゴレンは店によって味つけが微妙に異なるが、ここのも結構イケル。

6/7 day4

ホテルの朝食はブッフェ形式。普段の貧乏性が出て、パン(数種類)、シリアル、オムレツ、フルーツなどなど、朝からからおもわず盛りすぎてしまう。この日はグルプックを2ラウンドこなす。

サイズは昨日と変わらないが、セットの間隔が長くなったような気がする。人はマックス15人くらいだったかな、oh-ta氏によると、昨年はもっとサイズがあって、そんな時は隣の「亀ポイント」に人が分散されるので、人も少なかったと教えてくれた。アレフは海には入らず、漁村で待機。昼寝?「明日はmawiに行く」とのこと。余談だが、こちらのカヌーはバリ島のジュクンと違って船のスタビライザーが片方しかない。そのせいか若干バランスが悪く、サーフィン後にカヌーに登る際に、危うく転覆させるところだった。

6/8 day5

今日はmawiに向かう。かつてZZさんが板を壊したらしいポイントだ。Mawiまでは峠道を数回越え、集落をいくつもパスし、最後は畑のあぜ道みたいな細い道を通り、たどり着く。1.5時間くらいかかったかな?途中、景色の良いところで地元の子供達と一緒に写真を撮ったが、不思議な写真だった

mawiは白砂のきれいなビーチで楽園みたいだ。波はシャロウリーフに沿って割れており、明らかにグルプックより掘れている。サイズは頭くらい??。このリーフは干潮時はドライになるらしく、沖縄を思い出させてくれる。一人入っているが、まだまだ潮が足りず、待機する。そのうちに、オージー4〜5人のグループが到着したので一緒にはいることにする。リーフで怪我するのもいやなので、ヘルメットを着けて入った。グーフィーのポイントと聞いていたが、この日は入ってみたら、グーフィーはダンパーで、速いながらもレギュラーの方にラインが出ていた

指の先に一人入っています

あがってオージー軍団の一人と話をしたが、彼等はこれからフェリーに乗って、スンババに渡り、レイキーピークを目指すとのことだった。また、彼等の持つ情報によると、あさっては大きなうねりが届くらしい。クタに戻り、最近できたらという「サーファーズイン」というホテルにお邪魔して昼食。メニューにスキヤキ定食なるものがあったので注文したら1時間くらい待たされた。でも味は悪くなかった。ちょっと休憩してから夕方のグルプックに入水する。アレフは、「明日はs-bayをチェックしよう」とのこと。夕食は、「1回くらいは」とホテルのレストランを利用した。さすがに値段は高めだが、味は良く、またテラスでは、ダンスショーも行われていて楽しかった。

6/9 Day6

今日は朝から風が強い。うねりも多少落ちているような感じがする。アレフとs-bayをチェックする。波の方は、サイズこそオーバーヘッドはゆうにあるものの、うねりがまとまっておらず、ジャンクな感じなのでパスとする。カヌー乗り場に着くと、昨日より風は強めに吹いている。うねりは落ちているようだし、ますチェックがてらに「おっぱいポイント」と呼ばれるグルプックのアウトサイドに連れて行ってもらう。


アウトサイド

ここもサイズはあるのだが、うねりがまとまっていない。入水は断念し、グルプックに向かう。しかし、グルプックは既に20人近く入っており、楽しめる雰囲気ではない。波のサイズはともかく、楽しもうってことで、隣の「亀ポイント」に入水する。

亀ポイント

ここはグルプックよりもワンサイズ小さく、メロウな波。セットで胸くらいあるが、テイクオフするとすぐにだらだらになってしまう。しかしこの時は無人で、自分と嫁さんと船頭の3人でそれなりに楽しんだ。船頭の名はエンディー、まだ10代であろう子供だ。片言だが日本語も英語も通じる。彼は漁師の子供で、朝は漁を手伝っているらしい。サーフィンは大好きだが、今乗ってるボードは借り物で、はやく自分のボードが欲しいと話してくれた。昼食はアレフが山羊料理屋さんに連れて行ってくれた。山羊肉カレーと焼き山羊(サテー)をたらふく食べ、その後小観光を楽しんだ。ロンボクの織物である「ソンケ」を買ったが、値段はあってないようなもの??。そもそも相場が全く分からないので交渉が上手くいくわけがない。アートギャラリーで絵も見たが、これまた交渉が上手くいかず、購入は見送ることにした。しかし嫁さんはその絵が欲しかったようだ。この日の夕食は、アレフが自宅に招待してくれた。ローカルチキンをはじめとした、アレフの奥さんの手料理がふるまわれ、大満足の1日となった。

手料理

6/10 day7

今日は最終日。Mawiで聞いた情報が当たっていれば、今日は良いコンディションが期待できる。チェックするとうねりは確実に上がっている!。早速アレフとカヌー乗り場に向かう。今日の船頭は初めて見る顔だが、エンディーのボードを持っているところを見ると、ボードは彼のものなのだろう。それにしてもどこかで見たことのある顔だなーと思っていると、向こうから「shinjo」と名乗ってきた。そう、日ハムの新庄にそっくりなのだ

shinjo 雰囲気は伝わるでしょうか?

昨日の亀ポイントとはうってかわり、はるかアウトサイドでセットが割れてくる。怒セットはダブルくらいで、レギュラーもグーフィー共に申し分ない。人も分散されたのか、5〜6人といったところ。早速入水、いつもの癖でついレギュラーの方ばかりに行ってしまう。Shinjoはグーフィーフッターで、「オレレギュラーはダメネー」と言いグーフィーの波に乗りまくっている。深いボトムターンから鋭いリッピング!。きれいなサーフィンをするナイスガイだ。そのうち、平気で前乗りするオージーのボディーボーダー(男)が現れ、少しテンションが落ちる。気を取り直し、グーフィー側に移動する。怒セットはきついけど、セットの波には何とか乗れる。ブレイクはメローで、テイクオフしてボトムに降りると、ロングウォールが目の前に拡がる。ボトムターン、トップターン(もどき)を繰り返しインサイドまで乗っていく。ゲット途中のShinjoがガッツポーズを送ってくれる。「気分はサイコー!」。そして、ふと、レギュラー側に目をやると、チューブセクションが出来ており、日本人サーファーがメイクしている。最終日はくたくたになるまで波乗りし、良い波の余韻に浸りながら、ホテルに戻る。チェックアウトを済ませ、アレフとお別れの挨拶を交わす。彼は、しばらくは仕事が続くみたいで喜んでいた。空港までの帰り道に、昨日のアートギャラリーに寄ってもらう。昨日の絵はまだ残っており、無事お買いあげすることが出来る。


アートギャラリー

空港でチェックインを済ませ、バリへと移動。明日はチーム北海道と合流だ。

後編へ続く

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